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| 教育学者集 | 教育用語集 |
重要な教育用語
形式陶冶と実質陶冶
  形式陶冶:精神的諸能力の育成を重視する by ロック
形式陶冶とは、学習内容の習得よりもそれを手段として
精神的諸能力(記憶力、創造力、問題解決能力、判断力、推理力、観察力、意志力、感情)
の形式的な側面の育成を重視すること。

形式陶冶がとりあげられたのは近代以降。
しかも、ラテン語やギリシャ語などの古典や数学の教育的価値と結びつけ、
それらの合理性、普遍性を強調するために用いられました。
また、7自由学芸や、人文主義を批判する『百科全書主義』
に対抗するためにもしばしば用いられました。


実質陶冶:実質的な知識・技能の習得を重視 by コメニウス
学習内容の実際的な価値に注目し、実生活の中で役にたつ具体的・個別的な知識・技能の獲得を目指す。
形式陶冶とは対極にある考えです。

四段階教育法
  ヘルバルトの著書ー『一般教育学』において、彼は教育を
教育の目的→倫理学
教育の方法→心理学
という風に2つに分けて考えました。

そこで教育の方法を、心理学に基づく理論で展開しました。

彼は、興味の『多面化』と『統一化』を目指し、
脈絡と統一のある認識の過程を明らかにしようとしました。
そして
「専心」と「致思」の二段階を見出しました。

「専心」と「致思」
専心・・・一定の対象に没入し、他の対象を意識の外へ排除していく状態。

致思・・・「専心」でえた表象を相互に関連づける精神作用。

そしてそれをさらに静的と動的段階にわけました。

静的専心・・・明瞭 : 対象の限定によって意識の混乱を排すること

動的専心・・・連合 : 明瞭にされた対象をすでに習得させていた知識と結合、比較する。

静的致思・・・系統 : 連合を経た知識を体系化

動的致思・・・方法 : 以上の段階を経た知識がほかの事象に応用可能になった。

ヘルバルトの教授理論は学習者の認識が深められ発展する過程を
明確にとらえようとしたものです。

その後、五段階教授へと発展。弟子のツィラーとラインによって
五段階教育法へと発展していきます。

五段階教育法
  ツィラーはヘルバルトの「明瞭」を「分析」と「統合」にわけ、五段階化しました。
ラインはそれをさらに修正

分析→予備

統合→提示

連合→比較

系統→概括

方法→応用

この五段階教授の強調点は『学習者の認識過程』を明らかにするのではなく、
『教師が教材を提示を提示する順所』を示したといえます。

日本では、ヘルバルト派の思想の普及とともに
五段階教授法が受け入れられ、それにより

授業が教師中心、教科書中心の方法が当然のものに。

授業が画一的に。

これではいかんというので、合科教授がこれに対抗した。
という流れがあります。

コア・カリキュラム by 梅根 悟
  コア・カリキュラムの歴史
1948:コア・カリキュラム連盟が発足

「合科教授」が先駆けで、教育の生活化=合科という発想。←桶口勘次郎、木下竹次、及川平治
 →学習者側から教育課程の編成の試み。

コア・カリキュラム運動へ

「生活科」や「総合的な学習の時間」の開設へ。

コア・カリキュラムとは
@一教科の学習内容が縦断的な指導に陥りやすい欠点を補い、かつ多角的な総合的な見方や考え方を学ばせる
A教科・領域の性格を変えずに横断的に授業展開を構成するクロスカリキュラムによる総合的な学習の形態。

要するに
いままでの教育制度の中ではそれぞれの教科がそれぞれの系統的に、
段階的に教えられるので、教科と教科がリンクし合い、
合科的に指導する(クロス・カリキュラムとか)というものには限界があった。

↓だから

今、総合的な学習の時間をつくり、それぞれの教科をつなげ合わせ、
より子どもにとって生活実感のある学びを実現させようとしています。

合科教授
  合科教授の基本概念
児童の興味や生活に即して設けた学習教材をもとに展開する活動の中に、複数の教科内容を統合して教授・学習を行う方法。

先駆者、木下竹治
学校とは「自律的に学習のできる学習組織となり、子どもにとって「愉快なる学習の場」となるべき。

教科別の画一的な時間割で行われる方式、または教科書や教師が中心となる方式はダメ!

だから、合科教授!
が、弱点がある
「知的訓練の徹底」という教科の担うべき役割が軽思されがち。


コア・カリキュラム運動、生活科、☆イギリスのトピック学習

消極教育 by ルソー
  消極教育の基本概念
「万物をつくる者の手をはなれているとき、すべてはよいものであるが、人間の手に移ると全てが悪くなる。」→性善説の立場

↓つまり・・・
教育者は子どもの中の自然にあわせて、何を、いつ、どう教えるのか決めていなければならない。

★ルソーにとって、自然⇔社会

教育者は余計なことをしなくてよい。見守る立場。

メトーデ by ぺスタロッチ
  基本概念
人間の諸知識の要素を単純化し、それを最低辺の人々に対しても身体的・知的・道徳的な発達を結果としてもたらすべき心理的連鎖を有する一連の観念にまで還元しようとする

↓つまり・・・
「人間の内面」と「外界」の結合と分離を繰り返させながら、子どもを成長させるための教授手段。

自然の移り変わりの法則に、人間の成長や発達を結びつけていくこと。